2018. 6.12(Tue.) - 6.30(Sat.)
11:00 - 19:00( Closed on Sunday and Monday & Public Holiday)
浅野弥衛展
「無題」1965, 72.8 x 91cm, oil on canvas photo : KEI OKANO
「作品」1960年代, 53 x 45.5cm, oil on canvas photo : KEI OKANO
「作品」1988, 65.2 x 90.9cm, oil on canvas photo : KEI OKANO
「無題」(detail)1987, 65.2 x 90.9cm, oil on canvas
MEGUMI OGITA GALLERY 東京都中央区銀座2-16-12銀座大塚ビルB1
この度メグミオギタギャラリーでは浅野弥衛の作品展を2018年6月12日から6月30日まで開催致します。
浅野弥衛は、大正3年(1914年)10月1日 第一次世界大戦中、三重県鈴鹿市に生まれました。
昭和20年(1945年)終戦と共に美術作家として活動を開始し、昭和27年(1952年)には当時現代美術の本格的なギャラリーとして開廊した桜画廊で河口龍夫、関根伸夫らとともに個展を開催しました。
昭和34年(1959年)に鈴鹿信用金庫理事を辞し、画業に専念しますが晩年まで作品が売れることはありませんでした。晩年には様々な賞を授賞し愛知県立芸術大学客員教授となります。
浅野の作品は「引掻く」という技法によって評価を得ましたが、単に引掻くというものではなく、一度削った画面に絵具を塗り込むなど独自の研究が為されています。油彩だけでなく紙作品でも独自の研究を重ね、エッチング作品でも拭き取りを完全にしなかったために浅野らしい趣の作品が多く残ります。
また題名については「作品」「無題」「Untitled」と名付けられたものが多く、その無名、匿名の志向は美術の独立性に対する強い信念に支えられているといえます。
日本人でなければできない日本文化風土から生まれた抽象の確立を目指し続けた浅野の描く明るく乾いた叙情的な形や線の作品は、新しくも古くもない実に日本的な浅野弥衛らしい作品です。
気に入らない作品は全て焼いて発表しなかったと言われています。自分の絵が唯一の恋人だった浅野は今日に生きていても、同じような絵を描いていることでしょう。
今展では「引搔き」の作品のを中心に浅野弥衛記念家の貴重な所蔵作品を加えて様々な作風を一堂にご覧いただける貴重な機会です。是非ご高覧くださいますよう、お願い申し上げます。