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現在地

現代の問題や作家自身の感情を擬人化した、カラフルでイラスト的な星の瞳の子どものポートレートで知られる、下田ひかりの新作絵画展。

 

この度メグミオギタギャラリーでは、下田ひかり個展「現在地」を開催します。下田は作品の中で、可愛さと恐ろしさ、孤独、生と死が同居する世界を想像しています。2011年から海外でも作品を発表し、2014年7月にCorey Helford Gallery(ロサンゼルス)にて初個展、2018年には地元長野県の朝日美術館にて個展を開催しました。また、2021年にはグループ展 “Portraits” にて弊廊初展示を行いました。

 

下田の作品は、彼女の表現の曖昧な器として、性別や属性にとらわれない人間である子どもの概念を提示しています。下田は、作品の構想を世界中の人に直感的に伝えるため、影響を受けてきた漫画やアニメ的な表現を取り入れました。2010-2011年頃からスーパーヒーローや魔法少女などの特徴的なモチーフを描き、また新聞紙のコラージュや絵筆の筆致を生かして社会問題や宗教観を問いかける手法を次々に確立していきました。作家個人の不安や孤独は普遍的なテーマでもあり、彼女が描く子どもたちは「全ての人であり、誰でもない」ことが重要とされています。このため、作品は特定の人物ではなく、イラスト的なキャラクターとして描かれています。カラフルで魅力的な作品の背景は鑑賞者を引き込みますが、一方でいつ反転するかわからない世界の危険と混沌も明らかにしています。これらのモチーフは、単体ではポジティブな要素であっても、集合体になったり色の組み合わせによっては力強いイメージにも転換されます。無表情にも見える子どもは、下田にとって自身の思いを注ぎ込むことができる「感情の器」です。その大きな瞳は光と闇を反射しながら宇宙を見つめており、角はこの世の理不尽さに対する怒りや絶望といった感情のメタファーになっています。人間には様々な感情や多面性があり、それを左右の瞳の描き方を変える事で表し、また視線が合わないようにする事で、鑑賞者が受け取る印象の複雑化を狙っています。分断と混迷が加速する不確かな時代にあり、下田の作品は1人ひとりが自分の物語を持つこと、それが他者からどう評価されるかに関わらず、大きな意味を持つことを教えてくれます。本展の開催に向けて描かれた新作は、希望と悟りに向かって進む下田の揺るぎない覚悟を感じさせます。

Dates

2024年10月4日(金)-10月26日(土)

12:00-18:00

日曜・月曜 休廊

オープニングレセプション

10月4日(金) 18:00-20:00

*作家が在廊予定

メグミオギタギャラリー

〒104-0061 東京都中央区銀座2-16-12 B1

info@megumiogita.com

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God Is Dead, But… #18

2024
72.7 × 72.7 cm

パネルに綿布、アクリル、油彩

人類愛 #3

2024

27.3 × 22 cm

パネルにキャンバス、油彩

Love for Humanity #3_500.jpg
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