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田中敦子/ Atsuko Tanaka
2016. 2.12(Fri.) - 2.27(Sat.)

11:00 - 19:00(closed on Mon., Sun. & Public Holiday)

 


田中敦子 個展

tanakaatsuko2.jpg

"7-16" 15.07 x 10.06cm, pencil on paper

"6-4-1" 15.1 x 12.24cm, pencil on paper

MEGUMI OGITA GALLERY 東京都中央区銀座2-16-12銀座大塚ビルB1

この度メグミオギタギャラリーでは、田中敦子(1932-2005)の個展を開催致します。
 1952年、田中敦子は後に配偶者となる金山明により抽象表現における類い希な才能を見出され、金山明、白髪一雄、村上三郎により発足されたO会の一員として芸術家としての本格的なキャリアをスタートさせました。
 1955年には彼らと共に具体美術協会に加入し、壁際の床に2メートル間隔で置かれた20個のベルが順に鳴り響く「ベル」を、1956年には、電球と管球を組み合わせ明滅する光の服に見立てた「電気服」を発表します。作家自身が実際に電気服を装着し登場する等、強い身体的インパクトを持つ作風から、当初田中の作品は「具体」「ハプニング」というキーワードで一般に認知されがちでした。
 しかし、彼女はこれらの作品について「それぞれひとつの完成した絵としてつくった」と語っています。
実際にその後「電気服」は電球と配線に対応する円と線のみで構成された絵画となり、田中は1965年具体美術協会脱会後も生涯に渡り、全て異なるヴァリエーションを有する無数のイメージを描き続けます。入念な検討の上に定められる構図、偶然性を排した丹念な筆運びからは、空間や物質という概念を超えたひとつの精神宇宙に根ざした普遍的な表現をみてとることができます。

 今展では田中敦子が執拗に描き続けた紙の作品を22点、生前最後の版画となった作品を2点出品します。
 田中敦子にとって紙に素画を描くという行為は、自身の中に流れるイメージを一番最初にこの世に産み落とすための、最も自らに近しい手段でした。最初に作られた小さな天体が合体集合を繰り返して大きな天体となるように、紙に描かれた小さな宇宙は田中敦子の創造の根源を体現しています。

 近年田中敦子の作品は2007年のドクメンタでの主要作品出展等、戦後美術や具体といった枠組みを越えた国際的な現代アートの文脈において高い評価を得ています。
 未だ提示されていない美を発見し定着させるという芸術家としての使命に己の全人生を捧げた稀代の芸術家、田中敦子の最も純度の高い表現に是非ご期待下さい。

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