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Favorites

吉仲太造

浅野弥衛

重野克明

中村ケンゴ

ギャラリー所蔵品より、長らく取扱ってきた作家の初期作品と、過去に展示した物故作家の作品を合わせて紹介し、そこに込められた実験精神を読み解きます。

 

この度メグミオギタギャラリーでは、グループ展 “Favorites” を開催します。本展では、弊廊にて取扱ってきた作家の初期作品と、過去に展示した物故作家の作品を合わせて紹介します。作家の初期作品には、美術学生時代の多様な経験から、自身の表現を生み出そうと拘泥する様子が記録されています。一方、激動の20世紀を生きた作家の作品には、ヨーロッパ美術から戦後のアメリカ美術の隆盛を受け、日本の作家として美術のあり方を追求する姿勢が感じられます。これらの作品は一見冷静であっても、作家の内面的な葛藤が否応なく刻まれている点では共通しており、それゆえ鑑賞者に鮮烈な印象を与えます。実験を経てたどり着いた吉仲太造のモノクロームの油彩画、浅野弥衛の引っ掻き絵画、重野克明や中村ケンゴの大学時代の作品など、2025年3月の移転を前に、この空間でのグループ展をお楽しみください。

吉仲太造は1928年京都府に生まれ、1946年に京都人文学園絵画部(のちの行動美術京都研究所)に入所しました。同年、第1回行動美術協会展(東京都美術館)を皮切りに出品を続け、1953年には行動美術賞を受賞しました。1952年に上京、1955年には前衛作品によって新たな美術の潮流を生み出そうとしていた岡本太郎の招きにより、二科会第九室に出品しました。1950年代には、原色と動きのある構成でいきものと機械を描いた絵画、60年代の高度成長期には、新聞の株式欄や不動産欄、ボタン、カミソリの刃、ゴム版、釘など、雑多な日用品をコラージュした「遺産」シリーズを発表しました。そして色鮮やかでフォトリアリズム的な油彩画の時期を経て、70年代にはうつ病に苦しみながら、シルクスクリーンを用いて静物などの映像を浮かび上がらせる「病と偽薬」シリーズを生み出しました。その後、今までとは一線を画した集大成の作品として、無駄な要素をそぎ落とした黙示録的な白い「非色の絵画」の連作を完成させると、1985年56歳で死去しました。戦後の日本社会を反映し、批評性とユーモアを持って大胆に作風を変化させた吉仲は没後も注目を集め続け、美術館での大規模な回顧展も開かれています。

Dates

2025年1月17日(金)-2月1日(土)

​12:00-18:00

日曜・月曜 休廊

メグミオギタギャラリー

〒104-0061 東京都中央区銀座2-16-12 B1

info@megumiogita.com

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吉仲太造

不在

1984

116.7 x 90.7 cm

Oil on canvas (framed)

浅野弥衛

作品

1981

65.5 x 91 cm

Oil on canvas

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重野克明

風景

1998

91 x 130.3 cm

Tempera on panel

中村ケンゴ

ジャパニーズ・フロッグ

1994

130 x 97 cm

Mineral pigment, pigment and acrylic on Japanese paper mounted on wood panel

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