ART OSAKA 2024
Galleriesセクション
この度メグミオギタギャラリーは、ART OSAKA 2024 Galleriesセクションに出展します。
アルフレッド・マルティネスはニューヨーク市出身のアーティストであり、銃を分解し、発射するためにどの様に動作するのか観察することを好み、作品の主題としています。マルティネスが描く銃の作品は、絶え間なく続く戦争や暴動、銃乱射事件の時代を反映しており、その中の1点は、ニューヨーク近代美術館 (MoMA) に所蔵されています。着色したX線写真のような画面と飛び散ったインク、作家の内面を支配した銃のイメージ、そして自身の神話を育てるための様々な振る舞いから、マルティネスを*新表現主義の系譜とみなすことができます。その捨て身の表現は現代社会への挑発的な声明であり、真贋の欺瞞や資金洗浄など、業界にはびこる闇に対する鋭い洞察も内包しています。マルティネスの制作、言動、人生そのものが芸術的パフォーマンスだったと言っても過言ではないでしょう。
*1970年代末から80年代にかけて興った新しい具象絵画の動向。70年代に席巻したミニマルで概念的な美術への反動から、人物像、歴史的・神話的主題などを荒々しい筆致で描くスタイルが若手作家を中心に世界的に隆盛。
伏黒歩は2003年に多摩美術大学絵画学科版画専攻を卒業し、単色を重ねて鳥や花、木の根などを描く、影絵のような油彩画を発表しました。そして2013年、陶芸の粘土を油絵具と同等に扱うことで、対象物が絵画から三次元に飛び出したような作品を完成させました。さらにそれまでの作品の融合を試みる中で、伏黒が好んだ鳥の形は抽象性を獲得、その輪郭はますます曖昧になり、人間のようにも見える普遍的な生命体の表現へと向かっていきました。伏黒は一貫して造形への興味を持ち続け、モチーフに宿る瞬間的な美を作品に落とし込んでいます。また、手仕事によって生み出される作品にはそれぞれに個性や温かみがあり、観る者を楽しませてくれます。伏黒作品が持つ流動性や、平面から立体への連続性は世界の無常を象徴しており、そこから変化こそが万物の本質であるというメッセージを読み取ることもできます。
土屋仁応は1977年に生まれ、東京藝術大学で彫刻を専攻、2007年同大学大学院にて保存修復彫刻の博士課程を修了しました。土屋は表面の白から内側の淡い色彩が微かに現れる、独自の彩色方法を確立しています。また、頭を割って水晶やガラスなどの玉眼を入れる、仏像と同様の制作方法を用いて、神秘的な表情を持った作品を生み出します。ガラスの目や持物はガラス作家の田中福男が担当しています。土屋は、形のない想念を生き物の姿を借りて具現化した、象徴的な動物像をモチーフに制作しています。神話や説話の中に現れる動物のイメージを発想の起源とし、その中から生まれた生き物たちは、品種改良された園芸植物や観賞魚をヒントに突然変異や交配を繰り返し、様々な姿へ展開していきます。レジン作品は、木彫作品を原型に土屋の工房にてシリコン型で複製し、土屋自身が1点ずつ彩色を施しています。
中村ケンゴは多摩美術大学・大学院にて日本画を学び、Eメールで使われる顔文字、マンガの吹き出しやキャラクターのシルエットなど、現代社会を表象するモチーフを用いたユニークな絵画を制作してきました。海外での評価の高まりに連れ、2024年8月には、台湾のAKIギャラリーにて2回目の個展「中村ケンゴの現代日式絵画」の開催を予定しています。本展では、前回の個展以降に制作された新作絵画を中心に、「自分以外」「心文一致」「ジャパニーズ・フロッグ」といったこれまでのシリーズに加え、新たに取り組んでいる、ひらがなを描いたシリーズ「ひらがな ぺいんてぃんぐ」を初めて包括的に展示します。1990年代にポップカルチャーと伝統技法絵画の接続を試みた中村は、近年では東アジアを含めた日本の文化と近代絵画との関係に関心が移ってきており、「ひらがな ぺいんてぃんぐ」シリーズをはじめ、「心文一致」シリーズの「自我曼荼羅」、「○△□」、「モダン・ラヴァーズ」「JAPANS」シリーズなどが、新たな取り組みとして制作されています。
クリス・ベーレンスは1999年、オランダ、スヘルトーヘンボスのアカデミー・オブ・アート&デザインでイラストレーションを修了しました。 ベーレンスは、小さな紙片に細筆やインクで細部を描き、さらに別の紙を貼りつなげて描くという、腱鞘炎に悩まされるほどの作業を繰り返しながら、作品の全体を緻密に構成していきます。想像上の景色をありありと表出させる手描きの技術、ピントのずれやレンズの歪み効果を狙った、郷愁を感じさせるような独自の表現、そしてそれらを支える高い集中力を持ち合わせています。レンブラントやヨハネス・フェルメールの影響もうかがわせるベーレンスの肖像画は、時空を超えて光と影が交錯する、幽玄な異生物の世界のようです。一方で、日本の伝統文化に見られる精霊信仰や幻想性をインスピレーションの1つとして挙げています。
ヘブル・ブラントリーはシカゴに生まれ、現在はロサンゼルスを拠点に活動しています。ブラントリーは郷愁、精神、力、希望などの複雑なアイデアに取り組むために概念化された、象徴的なキャラクターを軸に作品を制作しています。ブラントリーは花のキャラクターについて、「それは花がいかに人間の人生に似ているかという考え方です。花と同じように、人生において人や人間関係は消え去ることがあります。 花のはかない性質とその寿命は、人間の一生にたとえることができます。私たち全員には美しさがあり、花に見られる美しさの商品化は人間にも見られます。」と言葉を寄せています。
Dates
2024年7月19日(金)-21日(日)
*要事前予約
大阪市中央公会堂3階 中集会室 ブースC-2
〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島1-1-27
VIPプレビュー
19日(金) 13:00-15:00
*VIP招待状をお持ちの方のみ
プレビュー
19日 (金) 15:00-19:00
*VIP、招待者、プレス関係者のみ
一般公開
20日(土) 11:00-19:00
21日(日) 11:00-17:00
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